私は20代の初め頃、というと今から二十数年前になりますが、ドイツに留学したことがあります。
大学在学中と卒業後のことでした。
その頃、母の友人のつてで若いドイツ人ご夫妻とお友達になったのですが、彼らの暮らしぶりに若かった私は大きなカルチャーショックを受けたものです。
色々とドイツの生活には影響を受けましたが、ふりかえって思いだしてみると、ドイツ人の生き方にはミニマルライフ・シンプルライフを目指す人にとって大いに参考にするべき点がありました。
ドイツのお宅訪問
ドイツ人の友人宅に初めて行ったとき。
彼らの家は小さな地方都市の郊外の一軒家で、特別に大きなおうちではありませんでしたが、お客である私にまずは各部屋を順番に見せてくれました。
(こういう習慣があるようですね)
片づいた部屋
「ここがリビングルーム。ここがキッチン。バスルーム。ベッドルーム・・・」等々。
初めて見るヨーロッパのインテリアに「素敵だなぁ」と憧れをいだいたのはもちろんですが、部屋を順番に見せてもらった私がとにかく驚いたのは、
「どの部屋もきれいに片づいている!」
キッチンなんて、ほんとにここで料理してるの?というほど片付いてスッキリしてました。
(あとで手料理を出してくれたし、彼らの話からきちんと料理はしている人たちと分かりました)
ものを大切に長く使う
もうひとつ驚いたこと。
それはものを大切に長く使う、ということでした。
部屋を見せてくれたときに
「これはおじいさんの代から使っている家具なのよ」とサラッと言う。
見るととても重厚な木の洋服ダンスで、木の扉には彫刻がほどこしてありました。
そんな古い家具を持っている日本人、どのくらいいるでしょう。少なくとも我が家にはないです。
買い物しないドイツ人
ドイツ人に聞いて分かったこと。
まず、ドイツの人たちは、簡単に買い物をしません。
買いたいものがあると、じっくりと考えて決めるまでに時間をかけるし、買ったものは手入れをして大事に長く使う。
だから家のなかに無駄なものがなく、すっきりと片付いているんですね。
それから、ドイツというのは店の営業時間が日本のように長くありません。
「閉店法」という法律で決まっているのですが、日曜日や祝日はデパートなどを含めお店は休み。夜も早く閉店してしまいます。
日曜日なのにお店がどこも休み!?って日本人的にはあり得ないんですが。
だけど、そんな閉店している店が並ぶストリートを、ドイツ人はゾロゾロ散歩するんですよね。
と言うのは、ウインドウがきれいに飾られ夜はライトアップされているので、商品のチェックができるというわけです。
ドイツ人は散歩が好きだし、お休みの日はそんな具合で店が閉まっているので、日本のように「休日だから家族でデパートへ買い物に行く」なんていうふうに「買い物がレジャー」とならないようなんです。
事実、私はドイツの友人宅に泊めてもらい休日を彼らと過ごしましたが、彼らと一緒にしたことは
- 自然の中をひたすら歩く(平気で2~3時間は歩いた)
- カフェやパブで家族や友達と時間を過ごす
- 美術館や博物館に行く
という感じでした。
最後に
私が見たドイツでの話は20年以上前のことなので、今は「閉店法」も緩和が進み、大都市などの一部の店では日祝も店を開くなど、営業時間が長くなっているようです。が、今もやはりほとんどの店が日祝は休みと聞きます。
ドイツには買い物が「レジャー」化しない環境があり、買うときは長く使えるものを購入して大事に手入れしながら使う。
結果的に節約になるしエコだし、とても合理的でドイツ人らしいなあと、今あらためて思います。
▼シンプルライフとは関係ありませんが、私の語学遍歴、留学についてはこちらで書きました。
▼ミニマルライフ・断捨離の参考に♪▼
お読みいただき、ありがとうございました。